うつ病になる原因とは
なぜうつ病になるのでしょう?そのメカニズムは、現代医学でもいまだ解明されていません。仮説レベルのものしか存在しないのです。
今のところ、遺伝的要素、性格や考え方、ストレス耐性、家庭や仕事などの環境がベースと言われています。そこに、様々なストレスが降りかかってくる。そしてうつ病発症に至る。つまり、いくつもの要因が複雑に絡み合って発症するもの、と考えられています。
つまり、「〇〇のせいでうつ病になった」などと言った、簡単なものではないことがわかります。
本人は原因を把握している?
Twitterでアンケートを取ってみました。医学的にもまだ原因は解明されていないにも関わらず、精神疾患の本人は80%以上が原因をある程度以上把握している(と思っている)。しかし実際は先程見た通り、会社のせいで、学校のせいで、あるいは家族のせいで、といった一つだけを原因にするのは、現代医学的には間違いなようです。
本人が自覚している原因も、ひとつの要因ではあるでしょう。ただし、そのたったひとつの要因だけが原因でうつ病になるとしたら、もっと多くの同じ状況の人がうつ病になってしまう。もちろん、実際にはそうはならない。うつ病の原因は今もまだ解明されていないほど、複雑に様々な要素が絡んでいるのです。
私は仕事「だけ」が原因だと思っていた
私自身の話をします。私のうつ病の原因は、転職や職場環境の変化、仕事のプレッシャーや多忙さからきている。そう何となく思っていました。だとすれば、復職してからも再発する可能性があるんじゃないか、なんて不安に苛まれることも。
しかし、どうやらこれらの仕事環境は、うつ病のひとつの要因でしかない。ならば、私の場合は他にもストレスとなるものがあったと考えた方が正しいのでしょう。仕事環境は、ひとつの「引き金」に過ぎなかったはずで、他にも要因があるはずです。
振り返れば複数の要因が思い当たる
冷静に見直していくと、確かにいくつもの要因が思い当たってきます。
- 遺伝的要素:父がうつ病を経験
- 性格や考え方:パニック障害になりやすい性格
- 仕事環境:今年転職したばかり
上のように簡単に振り返るだけでも、複数思い当たりました。じゃあ、どうすれば良いんでしょう?
まず受け入れて「今」をスタート地点に
いくつも要因があるからと言って、絶望する必要はありません。むしろ、まずはそうなんだ、と受け入れるだけで良い。これは私の主治医から頂いた言葉です。
これが原因だと一つに決めつけて、躍起になって病気と戦うのはやめた方が良い、と。その一つの要因がどうにもならない場合、どうして自分はこんなことになってしまうんだ、と絶望し、自分自身を責めてしまう。「〇〇さえなければ」といったネガティブ思考に陥ると、もう危険信号。心理学的には「否認」と呼ばれる行為で、これが良くないことなんだそうです。
実際には、要因は複数あることがほとんど。一つの要因だけが解決されたとしても、まだ治らない可能性がある。そしてまた自分を責めてしまう「否認」の行為に走るリスクがある。
だから、最初はただ、うつ病なんだと受け入れる。過去ではなく、「今」をスタート地点としてみる。少し元気になったら、改善できるところから少しずつ取り組んでみる。
遺伝的なものはどうしようもないですが、生活習慣の一つでも良い。考え方を少し変えてみるでも良い。仕事や家庭環境でも、変えられる部分からで良い。それで良いのだそうです。
私も少しずつですが、朝散歩や朝バナナ、モーニングページ、ひなたぼっこ、ストレスサーモメーターなどの新しい習慣に取り組んでいるところです。また、リラックスの考え方を変えてみることもトライしています。
今がツライあなたへ
ある程度原因を把握していると思っている。にも関わらず今がツライなら、それは何かひとつの要因だけに捉われてしまっているから、かもしれません。「〇〇のせいでうつ病になった」「〇〇さえなければ」といった思考に陥ってしまっていませんか?
まずは今、ツライ症状が出ている自分を、ただそうなんだ、と考えてみましょう。
本当はまだ気づいてない要因が、複雑に絡み合っているのかもしれませんからね。大丈夫。焦らない。ゆっくり、少しずつ。
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