いつもの発作と違う感覚がないか?
今回は、パニック障害持ちの方にどうしても伝えたい。
「その発作、本当にパニック発作ですか?」
えっ?と思うでしょう。でもこの視点を持っていないと、危険な目に合うかもしれません。私の体験談をお話します。
体調不良、メンタル不調が続く4日間
ごく最近の私の話です。4日間ほど、体調を崩していました。とにかく、ずーっと頭が痛い。耐えられない痛さではないけど、辛い。
そのせいか、ちょっとうつ症状も強め。更に、いつもよりちょっと不安が大きい。
食欲が全くないのはいつものことではある。ただ、ずっとお腹を下していて、頻繁にトイレに行かねばならない。
激しい腹痛、頭痛、動悸
4日目になると、その症状にピークが来ます。
激しい頭痛に襲われ、ひたすら寝込むことになります。腹痛も酷くなっていく一方。あまりの痛さに、眠ることすら出来ない状況。
頭痛も腹痛も、薬を服用してから時々出る症状でした。ただ、この日は明らかに今までにないレベル。動悸も激しくなり、いよいよ手足が痺れ、震えてきます。これまでになかった、吐き気まで催す始末。
あぁ、酷いパニック発作が出てしまった。それも経験したことないレベルの。
そう思ってやり過ごそうと思っていました。それでも一向に治らず、朝から晩まで発作の症状に襲われ続けました。パニック発作なら、ちょっと休んでいれば治まるはず。そう思いながら頓服を飲んでは、何時間も横になって耐え続けました。
とにかく早く治ってくれ、と。
38.5℃の発熱に気づかない
いつもの症状が酷くなっただけだ、仕方ない。こんな日もあるさ。ゆっくり、少しづつ。そう思いつつも、ふと目に入った体温計を手に取ります。
まあ熱はないだろう、寒気があるわけでもない。異常に発汗することはあるけど、今回はその発汗すらない。
ピピッと知らせる体温計を見てみると「38.5℃」
えっ…!?
なんと私は、こんな高熱に全く気付くことがなかったのです。1日中、いつものパニック発作の酷いバージョンだと思って過ごしていました。
コロナの疑いも持ち始める
体温を測ったのは、4日目の夜でした。近くの病院はもう診察時間外。
あまりに高熱だったので、真っ先にコロナを疑いました。保健所に電話して相談してみました。
回答としては、コロナの可能性は低いが、翌朝内科に相談してくれ、とのことでした。どうやら、コロナ感染者との濃厚接触や三密な場所に行っていない限りは、そのように案内されるようです。
おそらくコロナではなさそうなのは、一つ安心できました。とにかく翌朝まで、厚着しまくって、なんとか耐え切りました。
内科と精神科、それぞれの診察結果
迎えた翌朝、私の体温は36.8℃。
おぉ、平熱まで下がっている。その時確かに、症状も軽くなっていました。
パニック発作も、ようやくおさまったのか?そう思いつつも、念のため内科へ電話し、診察してもらうことに。内科の先生には、前日までの症状とパニック障害のことも伝えました。すると、医師からはこう言われました。
「おそらく、胃腸炎ではないでしょうか。ただ熱がある時は、パニック発作の症状も出やすくなります。」
なるほど、確かに胃腸炎のような症状だったと言えます。数日間、お腹を下していた上、高熱が出たので。私は以前、胃腸炎にかかったことがあります。その時は、もっと悪寒を感じたり、高熱に耐えられないような症状でした。
ただ、今回はそこまで熱があることにさえ、気づかなかったのです。しかも今回は、パニック発作と思われるような、激しい動悸も伴っていました。そのため、まさか胃腸炎とは思わず、パニック発作だと思って過ごしていました。
その後、いつものメンタルクリニックで、精神科の先生にも診てもらいました。概ね、内科の先生と同じ診断結果でした。
「パニック発作で高熱になるようなことは、まずありません。昨日の症状は、パニック発作とは別かもしれませんね。」
なるほど、言われてみれば確かにそうです。幾多ある病気の中で、動悸が激しくなるのは、パニック発作だけではない。どちらにしても、私が勝手に発作だと決め付けていた症状は、胃腸炎が真の原因だったのです。
違和感あったら、まず体温計を
今考えると、パニック発作ではない可能性を早く疑うべきでした。私の場合は、パニック発作は10分ほどで治ります。それが、1日中続くことは、今までなかったのです。
いつもと違う症状が出たら、まず体温計を手に取りましょう。そして、熱がないか計りましょう。パニック発作も重い症状です。ただし場合によっては、それ以上に危険な病気である可能性もあるのです。
「これは、本当にいつもの症状かな?」
頭の片隅に入れておきましょう。症状に慣れ過ぎて決め付けてはいけませんね。
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