うつ病には波がある
うつ病になると、いつも憂鬱で気持ちが晴れない、何もしたくなくなる、と言った症状が出てきます。ただし、いつも同じ調子で気分が晴れないかというと、そうとは限りません。例えば、こんな経験はないでしょうか?
- 午前中は調子が悪かったけど、午後から気分が持ち直してきた
- 調子が良い日が続いていたのに、今日は急に気分が落ちてしまった
うつ症状には、波があるのです。100点満点中いつも0点、ではないでしょう。5点の時もあるし、10点の時もあるんじゃないでしょうか。
1日の中でも波がある
気分が晴れない、何にも関心がなく、感情が無になったような状態を、抑うつ気分と言います。うつ病の症状として、最もよく知られている状態でしょう。この抑うつ気分には、1日の中でも波があります。
朝は抑うつ気分が強く出てしまいツライ状態であり、午後から夕方にかけて少しづつ持ち直していく。このようなパターンの気分の変動のことを、日内変動(にちないへんどう)と言います。
日内変動は、うつ病の方に多く見られるものです。私自身もこの傾向が強いです。昨晩は少し調子が良かったのに、翌朝目覚めたら別人のようにツライ・・・そんなことが度々あります。かと言って、これは前日よりうつ病が酷くなっているわけではないのです。波があるから、そんなもんなのです。
だからこそ、一喜一憂してメンタルをすり減らす必要はありません。この日内変動という、抑うつ気分の波があることを知っておくと良いでしょう。
うつ病は一直線で回復するわけではない
1日の中で波があることはもちろん、もっと長期的に見ても波があります。うつ病が発症した時が0点だとすると、そこから3ヶ月かかって30点まで回復したと思ったら、4ヶ月目にはまた0点に元通り。あるいはマイナスになってしまうことだってあり得るのです。
これもうつ病の回復には誰もが通る道だ、と考えておけば良いでしょう。先月より今月の方が調子が悪かったな、と感じてもある程度問題ないのです。これも一喜一憂しなくて良いのです。
医師の指示に従って、長い目で見て治療を続けましょう。毎月10点ずつ積み重ねて一直線に回復していくわけではない、と覚えておけば良いでしょう。
私自身、焦ってしまう性格です。この波もついつい気になって仕方ないのですが、心配してどうこうなるものではありません。そんな波があって良いんだ、と考えて過ごしましょう。
調子が良くても無理をしない程度に
気分が悪くても一喜一憂しない、と述べてきました。しかし、その逆も然りです。調子が良いと感じても、動き過ぎないよう気をつけることも大切です。
うつ病の方だと、普段あまり動けない分、調子が良い時に多く行動しておこうと考えてしまいます。でも、思い出してください。1日の中でさえ波があるのです。今は調子が良くても、反動が来てしまうことが予想できます。
色々と動きたくなる気持ちは、私もよく分かります。ですが、私の経験上からも、そんな時ほど控えめな行動にしておくと、波の反動が少なくなると思います。
うつ病でない方にも知っておいてほしい
もしうつ病ではないあなたがこの記事を読んでくれているのであれば、この波があることをぜひ知っておいて下さい。身近にうつ病の方がいるなら尚更です。
元気そうに見えても、10分後には急に抑うつ気分が強まるかもしれません。また、先月調子が良さそうだったからと言って、もう少しで回復するだろう、とは限らないのです。大きな波を繰り返しながら、少しづつ治療を続けていくものです。どうかその点、ご理解いただければ幸いです。
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