うつ病の私が救われた3つの言葉

うつ病の私が救われた言葉 うつ病

うつ病の患者には、言ってはいけない言葉がある。いろんなところで目にするので、これは知っている方もいるでしょう。

うつ病を軽視する「言ってはいけない言葉」

代表的な言葉を挙げると

  • 頑張れ
  • 辛い人は他にもいる
  • 気持ちの問題でしょ?
  • 何でうつ病になったの?

この辺りは色んな方が言われているので、ご存知の方もいるのではないでしょうか。また、逆に当事者の方は、言われて傷ついたことが何度もあるかもしれません。いずれの言葉も、うつ病への理解が不足しており、あまりに軽視した言葉です。

うつ病は脳の病気であること。自ら生命を断つ危険性も高いのです。上記について知らなかった方には、まずご理解頂きたい点です。

うつ病である私が救われた言葉 3選

上記の一方で、うつ病の人はどんな言葉を言ってほしいのか。これについては、あまり多く語られていないように感じます。そこで、私自身が救われた言葉を3つ紹介したいと思います。言葉の背景も感じていただけるよう、誰から言われた言葉なのかも入れておきます。

主治医「必ず治る病気です」

初めてメンタルクリニックに行って、うつ病との診断後すぐに頂いた言葉です。発症当時の私は、もうどうしたら良いかわからない状態。とにかく先生に診てもらおう。それしか考えられなくなり、暗闇の中にいるような気分でした。うつ病について何ひとつ分かっていなかった私に、希望の光を見せてくれた言葉です。


また、色々と調べていくうちに、これはある程度信頼して良いと、確信に近づきました。うつ病になると、基本は薬物療法を続ける方が多いでしょう。医師の指示通りに薬を服用し続ける。


一説には、抗うつ薬の薬物療法で症状が改善する方は50%程度だそうです。では、残り半分は回復しないのか?そうではありません。これは、ある1種類の抗うつ薬のデータなのです。抗うつ薬の効果は個人差があります。そのため、数週間服用し続けても効果が見られなければ、別の抗うつ剤に変える。あるいは量を増やしていくこともあるでしょう。そんなことを繰り返していくことで、改善を期待できるのです。


他でもない医者が、必ず治る、と言い切ってくれたこと。それが実は100%ではなく、本当は80%だったとしても、私にかけるべき言葉としてはこれがベストだったと思います。治ると信じて、焦らずに治療を続けること。これが何より大事なのですから。

上司「気が向いた時で良いよ」

私はメンタルクリニックでの診断を受けた数週間後、休職することになります。休職するにも、社内手続きが必要です。休職願いと診断書の提出。このあたりが一般的だと思います。しかし、うつ病の当事者にとっては、これも大変な作業。何をするにも手に付かないというか、体が動いてくれないのです。それも、初めての休職手続き。ただでさえ休職することに不安を抱えている上に、初めてする手続きのメンタルへの負荷は、うつ病の私には相当なものでした。


そんなことに焦っていた私に気づいてくれたのか、上司がかけてくれた言葉です。「気が向いた時で良いよ。」これはもちろん、手続きを進めなくて良い、というわけではありません。上司が裏で何かしら動いてくれていたのは間違いないでしょう。そこは隠しつつ、私には焦らず進めるように言ってくれたのです。うつ病への理解を感じさせてくれる、そんな温かい一言でした。

また、休職中も何度か上司と面談をしているのですが、その度にこの言葉をかけてくれます。気が向いた時に連絡をくれれば良い、と。決して見放した言葉ではなく、うつ病の症状をよく理解した上での最大限寄り添ってくれた言葉なのだと感じることが出来ました。

パートナー「頑張ったね」

うつ病と診断されたその日、パートナーには正直に報告しました。頑張れ、はNGワードとして有名ですが、頑張ったね、は全く逆の意味を持ちます。これまで十分頑張ってきた。その結果がうつ病なんじゃないか。仕事を休むことになろうが、治療に専念すれば良い。これまでの自分を全て肯定してくれた上で、うつ病になったことも受け入れてくれる。そんな一言に、一気に救われた思いがしました。


うつ病になると、どうしても自己否定しがちです。自分が弱いからこんなことになったんじゃないか。考え方や仕事の仕方がよくないから、うつ病になったんじゃないか。ついそう思ってしまいます。そんな思いを断ち切ってくれる、「頑張ったね」の一言。身近であるパートナーだからこそ、一番言って欲しかった言葉だったんだと思います。私の中に、強く刻まれた一言でした。


ここまで書いてみると、恵まれた環境だな、と実感してきました。言われて嬉しかった言葉を思い出してみるのは、メンタルに良いのかもしれません。そして、今うつ病ではないあなた。あるいは、うつ病を寛解したあなた。そんな方には、言ってはいけない言葉と同時に、「言ってほしい言葉」を覚えておいてほしいです。それが、いつか誰かを救う言葉になる日が来ることを願ってます。


私が休職を決意できた言葉についても、過去に紹介しています。よかったらこちらもご覧くださいね。

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